はじめに
ふと、カレンダーを眺めて
考えることがあります。
あと何年働くのか。
定年を迎えたあと、
毎日をどう過ごすのか。
会社にいるあいだは、
次の仕事が待っていて、
予定が埋まっていて、
それなりに忙しい。
でも「そのあと」のことを考えると、
急に足元が頼りなくなる感じが
するのです。
退職金や年金のことは、
なんとなく聞いてはいる。
でも、それだけで大丈夫なのか。
かといって、何か始めるにしても、
何をすればいいのかが分からない。
そんなぼんやりした不安を
抱えていたとき、
ある本がふと目に留まりました。

この本との出会い
「シニア起業」という言葉が目に入って、
思わず手に取ったのを覚えています。
著者は70歳を目前にして
会社を立ち上げた方。
新聞記者として長く働いたあとの
起業だといいます。
自分より年上の人が、
そこから新しいことを始めている。
それだけで、なんだか少し
気持ちが動きました。
読んでみて感じたこと
読んでいて、
いくつかのことが心に残りました。
ひとつは、
シニア起業には
「少資本・小規模・NOリスク」という
三つの原則があるということ。
大げさな投資や大きな勝負を
する必要はなく、
自分の手の届く範囲で、
静かに始めればいい。
この考え方に触れたとき、起業という言葉が持っていた重たさが、
すっと軽くなった気がしました。
もうひとつは、
この本が実際に著者自身が起業した体験をもとに
書かれているということ。
教科書的な知識の羅列ではなく、
つまずいたことや迷ったことも含めて
語られています。
だから読んでいて
「ああ、そうか、そうなるのか」と、
自分ごとのように
追いかけることができました。
それから、
著者以外にも
さまざまな人の起業エピソードが
紹介されていたことも
印象に残っています。
和紙の照明を作る人、
枕をネットで販売する人、
ウクレレ教室を開いた人。
年齢も業種もばらばらですが、
それぞれが自分の経験や
好きなことを軸にして、
小さく一歩を踏み出している。
その姿を読むだけで、
なんだか自分にも
何かできるかもしれない、
と思えてくるのが不思議でした。
こんな方に届くといいな
もし、
「起業なんて自分には無理だ」と
感じているなら。
あるいは、定年後のことを
ぼんやり考えてはいるけれど、
何から手をつければいいのか分からない、
というときに。
この本は、
すぐに答えを
くれるわけではありません。
でも、「こういうやり方もあるんだ」
「この年齢でも始められるんだ」という
小さな発見を、いくつも手渡してくれます。
肩に力を入れず、
自分のペースで読める一冊です。
通勤電車の中でも、
休日の午後でも、
気が向いたときに
ページをめくってみてください。
書籍情報
| タイトル | 挑戦しよう!定年・シニア起業 |
| 著者 | 岩本弘 |
| 出版社 | カナリアコミュニケーションズ |
| 発売日 | 2015年1月20日 |
| 価格 | 1,650円(税込) |
「そのさきBOOKS」は、
定年前後の暮らしのなかで出会った本を
静かに紹介するシリーズです。
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