はじめに
朝起きて、仕事に行って、
帰ってきて、ご飯を食べて寝る。
定年を迎えたら迎えたで、
なんとなくテレビを見て、
なんとなく一日が終わる。
べつに不幸なわけじゃない。
困っているわけでもない。
ただ、ときどき
「このままでいいんだろうか」と
思う瞬間がある。
友人が趣味の話を
楽しそうにしているのを聞いて、
「いいなあ」と感じる。
SNSで誰かが生き生きとしている姿を見て、
なんだか自分がぼんやりして見える。
別にどうしたいという
具体的な話があるわけじゃない。
ただ、もうちょっと毎日に
手ごたえみたいなものが、
ほしいだけなのだ。
この本との出会い
そんなことをぼんやり考えていたころ、
たまたま目に入ったのがこの本だった。
「平凡な会社員がギャルと出会って
人生変わった話。」というタイトル。
正直なところ、最初は
「自分が読む本じゃないかな」と思った。
でも、「なりたい自分に近づく6ステップ」
というサブタイトルに、
ちょっと引っかかった。
ギャルの本を読むおじさん。
ちょっとおもしろいかもしれない。
そういうの好だ。
そんな軽い気持ちでページを開いた。
読んでみて感じたこと
読みながら何度か、
「ああ、これは自分に近い」と思った。
主人公は26歳の会社員で、
年齢も立場も自分とはまるで違う。
なのに、やりたいことが見つからないまま
毎日を過ごしている姿に、
どこか重なるものがあった。
歳を重ねたからといって、
この種のモヤモヤは
消えないのかもしれない。
印象に残ったのは、
今の自分をネガティブに見てしまうとき、
ほんの少し言い方を変えるだけで
気持ちが変わるという話だった。
べつに嘘をつくわけじゃない。
同じ事実を、ちょっと角度を変えて
見直すだけ。
それだけのことが、
不思議と心を軽くする。
自分自身に対して、
もう少しやさしくしてもいいのかもしれない
と思えた。
もうひとつ。
「失敗」を怖がりすぎなくていいんだな、
ということ。
この年になると、
新しいことを始めるのに
どうしても腰が重くなる。
でも、小さなことからでいい。
うまくいったらラッキー、
くらいの気持ちで動いてみる。
そのくらいの気軽さが、
案外ちょうどいいのかもしれない。
読み終えて思ったのは、
この本は「新しい自分に出会うためのヒント」を
くれる本だな、ということだった。
勝ち負けなんて関係ない。
ただ、これからの人生を
もうちょっと楽しみたい。
そういう気持ちが、
読んだあとに静かに残った。
こんな方に届くといいな
毎日がなんとなく
過ぎていく感じがしている方。
やりたいことと言われても、
正直ピンとこない方。
新しいことを始めてみたいけれど、
なにから手をつけていいかわからない方。
そんなときに、
この本をそばに置いてみるのも
いいかもしれません。
難しいことは書いてありません。
小説仕立てなので、
物語を追いかけるうちに、
いつの間にか自分のことを考えている。
そんな不思議な読み心地の一冊です。
肩の力を抜いて、
ぱらぱらとめくってみてください。
書籍情報
| タイトル | 平凡な会社員がギャルと出会って 人生変わった話。 なりたい自分に近づく6ステップ |
| 著者 | 赤荻 瞳(著) 小山田 美涼(構成・文) |
| 出版社 | PHP研究所 |
| 発売日 | 2025年6月9日 |
| 価格 | 1,870円(税込) |
「そのさきBOOKS」は、
定年前後の暮らしのなかで出会った本を
静かに紹介するシリーズです。
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