1人起業家マインドセット(著者:與平だいちさん)

はじめに

定年を迎えて、しばらく経った。

収入はない。

けれど、不思議なことに
毎日がそんなに悪くない。

朝、好きな時間に起きて、
散歩に出て、
気が向いたら本を読む。

夕方にはスーパーで
夕飯の材料を選ぶ。

なぜだろう、とふと考えてみる。

会社にいたころより、
ずいぶん気持ちが軽い。

たぶん、全部自分で
決めているからだろうか。

何をするか、いつやるか、
誰と会うか。

小さなことだけれど、

全部の判断が自分のものになっている。

ただ、このままでいいのかな
という気持ちも、どこかにある。

楽しいけれど、何か足りない。

もう少しだけ、
何かがあったらいいのに。

この本との出会い

そんなときに、

書店の棚で見かけたのが
この本だった。

「1人起業家」という言葉。

正直、起業は自分の世界の話では
ないと思った。

でも、パラパラとめくってみたら、

どうやら「会社を辞めて
起業しなさい」と

言っている本ではなさそうだった。

好きなことを見つけて、

ちょっとだけ考え方を
変えてみよう、

というトーンの本だった。

それなら読めるかもしれない、
と思って持ち帰った。

読んでみて感じたこと

読みながら、

いくつか「なるほど」と

腑に落ちることがあった。

ひとつは、

この本が「会社を辞めろ」とは
言っていないこと。

むしろ、今の暮らしのまま
始められることがあると伝えている。

会社員でもフリーランスでも、
あるいは僕のように定年後の身であっても、

好きなことに気づいて、

そこから小さく動いてみればいいらしい。

この気負わなさが、
読んでいてとても楽だった。

もうひとつ、

自分の「今の暮らし」と
重なる部分があった。

収入はなくても毎日が楽しいのは、

すべて自分で
決めているからなのかもしれない。

この本で触れられている

「自由」という考え方に出会ったとき、

ああ、今の自分には
そのうちのいくつかが

すでにあるのだな、と気づいた。

足りないと感じていたものの正体が、

少し見えた気がした。

それから、

具体的なヒントが

あちこちに散りばめられていたことも

印象に残った。

全部を今すぐやる必要はないけれど、

「もし何か始めるなら、
こういう手順があるのか」と

知っておけるだけで、
気持ちに余裕が生まれる。

いつかやるかもしれない。
やらないかもしれない。

でも知っていることで、
選択肢が増える感じがした。

こんな方に届くといいな

もし今、定年を迎えたり、
仕事を離れたりして、

「毎日は悪くないけれど、
何かが足りない」と

感じているなら。

あるいは、好きなことはあるけれど、

それを仕事にするなんて

今さら無理だろうと
思い込んでいるなら。

この本は、

「さあ起業だ」と
急かしてくる本ではない。

どちらかというと、
自分の中に眠っている「好き」を

静かに掘り起こしてくれる本だと思う。

会社を辞めなくてもいい、

年齢も関係ない。

ただ、自分の気持ちに

正直になってみることから
始めればいい。

そう思えただけで、
少しだけ背筋が伸びた気がした。

書籍情報

タイトル1人起業家マインドセット
「好き」を「稼ぎ」に変える
すごい働き方
著者與良だいち
出版社明日香出版社
発売日2025年6月14日
価格2,145円(税込)

「そのさきBOOKS」は、
定年前後の暮らしのなかで出会った本を
静かに紹介するシリーズです。

  • URLをコピーしました!